血統について

地域ごとの血統による傾向について非常に乱暴にまとめます

 

・欧州血統

スタミナがある

パワーがある

(下級馬は特に)スピードに劣る

仕上がりが遅い

 

ヨーロッパの競馬場は日本のそれと比べてずっと芝が深くて柔らかいので、たとえば同じ2400mのレースでも10秒以上勝ちタイムが遅かったりする事もザラにあります

芝2400mのレース、と一口にいっても必要とされる適正はまったく別のものとなるわけで、同じ10頭で東京とエプソムで2レース行えば全く違う着順になる事も大いに考えられるでしょう

一線級の馬は別格としても、ゴリゴリの欧州血統馬は日本の固い芝レースではスピードについていけず自身の高いスタミナを活かせない事も多いです

このタイプで一番有名なのはサドラーズウェルズ系でしょう

Sadler's Wells-Galileo-Frankelと続いている父系が有名ですね

ガリレオまではいかにも欧州血統な感じで日本ではスピード不足な印象でしたが、フランケル産駒は今のところ日本への適正も高く初年度からソウルスターリングを出しています

 

・米国血統

スピードがある

ダートに向いている

ダートに向いている所を利用してパワーのいる芝も強い

仕上がりが速い

成長力がない

一本調子なスピードでレース展開に左右されやすい

持続的なスピードというか、瞬発力で勝負するタイプではない

 

アメリカの競馬は日本・欧州と違いメインがダートです、ダートコースが外で内に芝があります

当然アメリカで流行するのはダートに強い、スピードとパワーを兼ね備えた馬になります

また、欧州と比べ大レースが早い時期からある為、仕上がりの速さも重要なので早熟気味に子を出す事も求められます

一方、ゴリゴリの米国血統に偏ってしまうと、日本においてはスピードはあるものの持続力が足らず自身の能力に任せて走って、うまくいけば勝てる、みたいな安定感のない走りをする馬になりがちでもあります

 

・日本血統

瞬発力がある

とにかく瞬発力がある

最上位馬はスローペースでも最後方から指しきれたりする

とにかく瞬発力がある

サンデーサイレンス系の事である

 

現代における日本血統とは、サンデーサイレンス直系の事を指すと言い切ってもいいでしょう

サンデーサイレンス自身は米国で走った馬ですが、日本でしか仔を成しておらず、子孫の広がり方からして日本血統のディファクトスタンダードとなっていると言えると思います

近年日本の馬場は固くなる一方で、上がり3ハロン32秒台というレースも別に珍しくありません

が、上がり32秒台で回ってこれる馬の大半がサンデー系(というかディープ産駒)という事実もあり、今の硬い馬場に異様にフィットしている血統といえるのでしょう

サンデー以外の過去の土着血統は現在既に虫の息で、この先いつまで父系を伸ばすことができるのかわからないような物しかありませんね、残念ながら

 

 

 

ここで一例を出すと

歴代最多獲得賞金馬テイエムオペラオー

f:id:capsuleperfume:20170617230248p:plain

こういう血統ですね(リンク

父オペラハウスはサドラーズウェルズ系で、上半分を見ると「重たそう」なイメージの血統ですが、母父ブラッシンググルームも米国の短距離馬、母ワンスウェドのこれまでの産駒も短距離を得意とする馬も多く、ナスルーラのクロスも含め、短距離スピード偏重型の繁殖牝馬と言えそうです

だからこそ、重たさがあるものの、スタミナとパワーを伝えることのできるサドラー系種牡馬オペラハウスを付け、大成功を収めた例といえるのではないでしょうか

つづき

・プリメラビスタ(和泉6位)

オルフェーヴル

ビワハイジ

(母父Caerleon

 

この馬の特徴を説明すると、母がビワハイジである事

以上です

 

手抜きではなく、それだけ特別な影響力のある馬であるという事です

産駒成績をコピペしますと

 

ビワワールド (セ 1999 鹿毛 ブライアンズタイム) 3勝

ファインセラ (牝 2001 青鹿毛 サンデーサイレンス) 4勝、地方2勝

アドマイヤジャパン (牡 2002 栗毛 サンデーサイレンス) 2勝

        1着 - 京成杯(G3)
        2着 - 菊花賞(G1)、報知杯弥生賞(G2)
        3着 - 皐月賞(G1)、ラジオたんぱ杯2歳S(G3)

アドマイヤオーラ (牡 2004 鹿毛 アグネスタキオン) 4勝
        1着 - 報知杯弥生賞(G2)、京都記念(G2)、日刊スポシンザン記念(G3)
        2着 - スポニチ京都金杯(G3)

      3着 - 東京優駿(G1)、鳴尾記念(G3)

アドマイヤテンカ (牡 2005 鹿毛 アグネスタキオン)

ブエナビスタ (牝 2006 黒鹿毛 スペシャルウィーク) 9勝

      1着 - 阪神ジュベナイルF(G1)、桜花賞(G1)、優駿牝馬(G1)、ヴィクトリアマイル(G1)、天皇賞(秋)(G1)、ジャパンC(G1)、京都記念(G2)、チューリップ賞(G3)

      2着 - 有馬記念(G1)、宝塚記念(G1)、ジャパンC(G1)、有馬記念(G1)、ヴィクトリアマイル(G1)、宝塚記念(G1)、ドバイシーマC(G1)、札幌記念(G2)

      3着 - 秋華賞(G1)、エリザベス女王杯(G1)

アーデルハイト (牝 2007 鹿毛 アグネスタキオン)

トーセンレーヴ (牡 2008 鹿毛 ディープインパクト) 8勝

        1着 - エプソムC(G3)

        3着 - テレビ東京青葉賞(G2)、被災地支援毎日杯(G3)

ジョワドヴィーヴル (牝 2009 鹿毛 ディープインパクト) 2勝

        1着 - 阪神ジュベナイルF(G1)
        3着 - チューリップ賞(G3)

サングレアル (牝 2011 青鹿毛 ゼンノロブロイ) 2勝

        1着 - サンスポ賞フローラS(G2)

エルプシャフト (牡 2013 青鹿毛 ディープインパクト) 2勝

プリメラビスタ (牝 2015 栗毛 オルフェーヴル)

 

長い

 

いつ見ても壮観ですね、まじで凄いです

ちなみに、’05年産のアドマイヤテンカと07’産のアーデルハイトは未勝利に終わっていますが、アドマイヤテンカはデビュー前に骨折し安楽死、アーデルハイトはデビュー戦で屈腱炎を発症し1戦のみでの引退となっています

となると、まともに走った馬は全て活躍馬なわけで、やはり競馬はブラッドスポーツなのだなぁと実感します

ビワハイジ自身は、逃げて粘りこむようなダラっと速いタイプだった気がしますが、その仔たちには特別な瞬発力が伝わっています

 

ファインセラ、ブエナビスタ、アーデルハイトの3頭から出ている孫も全て勝ち上がりを見せており、代を経ても失われない強い影響力が伺えます

 

不安点としてはやはり、母が22歳の時の仔ということでしょう

人間で言えばとうに還暦を過ぎたような年齢で、普通はこの年で仔を生む事はありません、逆を言えば、この年でも生んでほしいと周りが期待するような名牝だからという事でもあるのですが

ビワハイジはこの馬を最後に繁殖を引退しており(乳母として活躍しているようですが)、偉大な名牝のラストクロップとなります

逆に父オルフェーヴルにとってはファーストクロップとなる為、本馬の成績は正直予想が難しいです、ホームランも空振りもあるという所でしょう

ブエナビスタの仔ソシアルクラブも和泉くんが指名しており、同い年の「おば、めい」コンビで活躍と言う事もあり得るのでしょうね

 

気になる指名馬2

続きいきましょう

 

・フラットレー(山田1位)

ハーツクライ

母*リッチダンサー

(母父Halling)

1位で有力ディープインパクト産駒が指名されていく中、唯一指名されたハーツクライ産駒がこのフラットレーでした

この馬を語る際の一番のポイントは「ノーザンホースパークマラソンの景品馬」であるという事ですね 山田さんも間違いなくそれを考慮しての1位指名のはずです

 

ノーザンホースパークとは、社台グループが運営する馬を中心としたテーマパークなのですが、そこで毎年ハーフマラソンをする企画があるのです、マラソン大会ではよく黒人選手がペースメーカーとして出場していたりしますが、その代わりにこの大会では馬が先導を務めるというのがウリのようです

 

が、POG的にはもっと重要な事があります それはこのマラソンの優勝商品として配られる「キャロットファーム募集馬の一口馬主権利」に該当する馬が、ここ数年全て活躍馬になっているという事実です

近年では

2016 エピカリス(5戦4勝 GⅢ1勝)

2015 シンハライト(6戦5勝 GⅠ優駿牝馬

2014 シャイニングレイ(6戦3勝 GⅡホープフルS)

2013 ハープスター(11戦5勝 GⅠ桜花賞

 

と、まぁ驚くほど活躍馬しかいないわけで、これは明らかにたまたまではなく、期待出来る馬を優勝景品にしてるのであろうと読み取れます、よってこのローカルなマラソン大会を全国のPOGファンがずっと見張っているような状態になるわけです

 

それに加えて本馬の場合は、未だデビューに至っていない1歳上の姉を除けば全馬勝ち上がり、というか、それぞれ「8,4,5,2,3」とかなりの好成績を残しています、それも全て父が異なっていながらの成績ですので、母の繁殖としての能力は間違いないと見ていいでしょう

 

なんだか書いていても弱点がなさそうじゃないか、そんな気もしてきますが面白い事実が一つあります、それは「兄弟の牡馬は全て去勢されている」ということです

3頭いる兄は全てキンタマを取られています、これは能力を期待されながらも気性的に難しさを持っているという事でしょう

 

本馬はマラソン景品最強伝説を続ける事ができるのか?また、タマを奪われることなく繁殖入りすることができるのか?そういった所も注目して見ていきたいと思います

17-18 気になる指名馬

今回は新年度で指名された馬の中で、僕の指名馬以外で個人的に気になっている馬について書きたいと思います

ピックアップの基準は「気になる」なので、強そうとか勝ちそうとかではなく好みで選出していきます

 

・トゥザフロンティア(羽角3位)

ロードカナロア

トゥザヴィクトリー

(母父*サンデーサイレンス

トゥザヴィクトリーは僕が一番競馬を見ていた頃の馬で、G1は’01エリザベス女王杯の1勝のみですが、なんといってもドバイワールドカップ2着が光ります

長らく世界最高賞金額を誇り続けたこのレースで、5着入線を果たした牝馬は現在に至るまで、トゥザヴィクトリーただ一頭となっています

というものの、当時の印象としてはドバイWCよりも、重賞どころかオープンさえ未勝利なのにオークス秋華賞と1番人気で飛ばす人気先行馬の印象が強いです

しかし繁殖入りすると重賞5勝のトゥザグローリーを筆頭にトゥザワールドトーセンビクトリーと3頭の重賞勝ち馬を輩出します

その他にもオープンまで上がったトゥザワールドや繁殖として結果を残しているアゲヒバリ等も生んでいます。

昨年度山田さん指名で京都新聞杯3着のダノンディスタンスはアゲヒバリ産駒ですね

 

いままで重賞勝ちした3頭は全て父キングカメハメハ、本馬の父ロードカナロアの父はキングカメハメハなので、血統的には75%同血となります

短距離戦を得意とした父に代わり、やはり短い所で勝負してくる可能性は高いでしょう

どちらかと言えば本格化の遅れた父から、POG期間の活躍は少し心配もありましたが、既に入厩し、デビューに向けて調整中とのことでその心配は杞憂に終わりそうです

不安点を探すなら、昨年度の断トツ期待馬であった兄トゥザクラウンがここまで1戦0勝と大爆死なこと、我々のPOGでも和泉厩舎1位氏名で最下位爆走の戦犯となっています

とはいえ、トゥザクラウンに関しては喉鳴りが原因である事は自明で、馬体的な良さは目立っていたからこその人気だったわけで、遺伝的な能力は低下していない可能性も大きいです

高齢出産のハンデを乗り越え、兄弟悲願のG1制覇を狙います

 

・レッドヴェイロン(池田7位)

 父キングカメハメハ

エリモピクシー

(母父*ダンシングブレーヴ

エリモピクシーは重賞勝ちこそないものの、自己条件を勝ち上がり、OP特別のファイナルS勝ちなど合わせて7勝、重賞でも3着の実績があります

その母の全姉エリモシックは’97エリザベス女王杯で圧倒的1番人気ダンスパートナーの追撃を凌ぎ切りG1を制覇しています、懐かしいっすね…

さて、そんなエリモピクシーは繁殖として非常に仔出しがよく、初年度産駒のリディルがデイリー杯2歳Sを制すると、連続する兄弟4頭で重賞を勝利し、あわせて重賞11勝の大活躍を収めます

しかしこの3年は0,2,1勝と奮いません、昨年の産駒レッドオルガは当POGで和泉指名でまたも爆死している馬ですね

さて本馬は父がキングカメハメハとなり、きょうだいで初めてサンデーサイレンスの血が1滴も入らない構成となります

また、不振だった近3頭は牝馬でしたが牡馬に出たこともプラスでしょう、科学的根拠はないですが、「男腹、女腹」というのは競馬界には存在しています

素人目に見ても寸詰まりで短い所に向いていそうな体型に見え、目指すは桜花賞~NHKマイルといったところでしょうか

ヴェイロンは世界最速の市販車、ブガッティ・ヴェイロンからの命名でしょう

名前負けしないスピードを発揮できるでしょうか

 

 

 

16-17 牡馬戦線

続いて牡馬戦線です

 

年明け当初の段階では’14世代の牡馬はレベルが低いと言われていました

牝馬戦線で圧倒的な力を見せ付けたソウルスターリングをはじめ、破れはしたものの牡馬G1である朝日杯FSで1番人気を獲得したミスエルテ(結果4着)など、牝馬の派手な活躍が目立っていたためです

 

ミスエルテに朝日杯で勝利したサトノアレスの評価はあまり上がらず、暫定的な世代ナンバーワンは暮れのホープフルSを勝ち、3戦3勝で年を越した下村厩舎のレイデオロと、1勝2着2回と取りこぼしているものの、素軽い走りで関係者からの評判の良い和泉厩舎のヴァナヘイムと目されていました。

 

しかし年明け早々、ヴァナヘイム骨折のニュースが飛び込みます

全治は6ヶ月、春クラシックの全休を余儀なくされます

クラシック戦線はより主役不在の様相を呈します

日刊スポーツ賞シンザン記念(2017/01/08)

01 キョウヘイ(牡3   高倉稜 56.0 1.37.6 36.7 ------15-12 8 27.4 リーチザクラウン / ショウナンアネーロ 栗)宮本博  428 -2 9 5
02 タイセイスターリー(牡3 武豊 56.0 1.37.8 37.3 ------10--8 4 9.9 マンハッタンカフェ / スターアイル 栗)矢作芳人 524 -6 14 8
03 ペルシアンナイト(牡3 ハナ M.デム 56.0 1.37.8 37.5 -------7--7 1 2.4 ハービンジャー / オリエントチャーム 栗)池江泰寿 478 +2 5 3
04 トラスト(地)(牡3 柴田大知 57.0 1.38.0 38.0 -------3--4 3 6.9 スクリーンヒーロー / グローリサンディ 栗)中村均  468 +2 8 5
05 マイスタイル(牡3 クビ 福永祐一 56.0 1.38.0 37.8 -------5--5 5 11.8 ハーツクライ / ファーストナイナー 栗)昆貢   458 0 10 6
06 アルアイン(池田)(牡3 21/2 シュミノ 56.0 1.38.4 38.2 -------5--5 2 3.6 ディープインパクト / ドバイマジェスティ 栗)池江泰寿 514 -4 7

4

ここまで2戦2勝のアルアインでしたが、直線入り口で大きな不利を受けた事もあり伸びを欠き6着まで

1着キョウヘイの父は新種牡馬リーチザクラウン、わずか11頭の産駒から重賞勝馬を生み出しました

 

京成杯(2017/01/15)

01 コマノインパルス(牡3   田辺裕信 56.0 2.02.5 35.6 12-12-10--7 1 3.8 バゴ / コマノアクラ 美)菊川正達 462 -2 8 5
02 ガンサリュート(牡3 クビ 北村友一 56.0 2.02.5 35.5 10-10-11-11 7 14.4 ダノンシャンティ / ベネディーレ 栗)安田隆行 506 +6 11 6
03 マイネルスフェーン(牡3 1/2 柴田大知 56.0 2.02.6 35.6 10-10-11-11 3 6.5 ステイゴールド / マイネジャーダ 美)手塚貴久 442 +4 2 2
04 ジュニエーブル(牡3 3/4 吉田豊 56.0 2.02.7 35.6 12-12-13-11 15 254.3 スズカフェニックス / ピーチフィズ 美)竹内正洋 446 -2 5 3
05 アサギリジョー(牡3 3/4 石川裕紀 56.0 2.02.8 36.2 -6--9--6--6 8 18.8 ジャングルポケット / メイクヒストリー 美)相沢郁  486 0 12 7
10 ポポカテペトル下村 11/4 戸崎圭太 56.0 2.03.3 36.8 -4--4--4--3 4 7.8 ディープインパクト / ミスパスカリ 栗)友道康夫 476 -2 4 3

人気の一角ポポカテペトルは全く延びず

地味な馬で特に感想もあまりないです

 

 

若駒ステークス(2017/01/21)

01 アダムバローズ(牡3   池添謙一 56.0 2.01.7 35.6 -1--1--1--1 5 10.1 ハーツクライ / チャチャリーノ 栗)角田晃一 504 -8 1 1
02 ダノンディスタンス山田) ハナ 和田竜二 56.0 2.01.7 35.5 -2--2--2--2 3 4.4 ルーラーシップ / アゲヒバリ 栗)佐々木晶 512 -4 5 5
03 シャイニーゲール(牡3 福永祐一 56.0 2.02.5 35.5 -5--5--5--5 2 3.5 キングカメハメハ / クリスタルコースト 栗)石坂正  470 +4 2 2
04 インウィスパーズ(牡3 ハナ 松若風馬 56.0 2.02.5 36.1 -3--3--3--3 1 2.1 ディープインパクト / サムワントゥラブ 栗)音無秀孝 444 0 4 4
05 アドマイヤウイナー(牡3 1/2 M.デム 56.0 2.02.6 35.9 -3--4--4--4 4 5.7 ワークフォース / ソングバード 栗)須貝尚介 500 -4 3 3

本来ならヴァナヘイムが出ていたレース、直前回避により無念の春全休となりました

このレースは結果としてたったの5頭立てとなりましたが、ヴァナヘイム参戦により回避した馬も多かったと思われます

小頭数らしいスローな流れから前の2頭でそのまま決着、ダノンディスタンスはハナ差に泣きます

 

きさらぎ賞(2017/02/05)

01 アメリカズカップ(牡3   松若風馬 56.0 1.50.1 35.9 -------3--3 6 17.2 マンハッタンカフェ / ベガスナイト 栗)音無秀孝 450 -12 7 7
02 サトノアーサー山田) 13/4 川田将雅 56.0 1.50.4 36.0 -------5--6 1 1.4 ディープインパクト / キングスローズ 栗)池江泰寿 474 +6 1 1
03 ダンビュライト(牡3 アタマ ルメール 56.0 1.50.4 36.1 -------5--4 2 5.6 ルーラーシップ / タンザナイト 栗)音無秀孝 472 0 4 4
04 プラチナヴォイス(牡3 11/4 和田竜二 56.0 1.50.6 36.6 -------2--1 3 8.6 エンパイアメーカー / プレザントブリーズ 栗)鮫島一歩 510 +2 5 5
05 エスピリトゥオーゾ(牡3 13/4 四位洋文 56.0 1.50.9 36.2 -------7--7 7 51.3 ダイワメジャー / ポポラス 栗)木原一良 454 -4 6 6

ここまで2戦2勝の良血サトノアーサーが断然人気でしたが2着に敗れるも、賞金加算をし今後の出走に繋げます

 

すみれステークス(2017/02/26)

01 クリンチャー(牡3   藤岡佑介 56.0 2.14.1 35.8 -3--2--2--2 5 12.0 ディープスカイ / ザフェイツ 栗)宮本博  476 -2 1 1
02 タガノアシュラ(牡3 国分恭介 56.0 2.14.8 36.7 -1--1--1--1 4 9.3 マンハッタンカフェ / レイサッシュ 栗)五十嵐忠 502 -10 2 2
03 キセキ(牡3 11/4 川田将雅 56.0 2.15.0 36.3 -5--5--5--5 1 1.9 ルーラーシップ / ブリッツフィナーレ 栗)角居勝彦 486 -10 5 5
04 レイトブルーマー(牝3 21/2 松若風馬 54.0 2.15.4 36.8 -6--5--5--3 3 7.9 ジャングルポケット / ブルーミングスノー 美)武井亮  454 -4 4 4
05 ダノンディスタンス(山田) 21/2 和田竜二 56.0 2.15.8 37.3 -4--4--4--3 2 3.1 ルーラーシップ / アゲヒバリ 栗)佐々木晶 512 0 6 6

ダノンディスタンス、オープン入りをかけて再挑戦するも追ってのびず5着

皐月は一旦諦め次の目標へと向かいます

 

報知杯弥生賞(2017/03/05)

01 カデナ(牡3   福永祐一 56.0 2.03.2 34.6 -8--8--7--5 1 3.3 ディープインパクト / フレンチリヴィエラ 栗)中竹和也 460 0 11 8
02 マイスタイル(牡3 1/2 横山典弘 56.0 2.03.3 35.1 -1--1--1--1 8 26.4 ハーツクライ / ファーストナイナー 栗)昆貢   450 -4 10 7
03 ダンビュライト(牡3 11/4 ルメール 56.0 2.03.5 35.0 -5--5--5--5 5 9.1 ルーラーシップ / タンザナイト 栗)音無秀孝 470 -2 4 4
04 ベストアプローチ(外)(牡3 ハナ 戸崎圭太 56.0 2.03.5 34.8 -6--6--9--9 7 18.6 New Approach / Sant Elena 栗)藤原英昭 476 +2 1 1
05 サトノマックス(牡3 クビ シュタル 56.0 2.03.5 34.6 10-10-11--9 6 9.8 ディープインパクト / ラシャルマンテ 美)堀宣行  486 +2 5 5
08 グローブシアター(池田) ハナ 川田将雅 56.0 2.03.6 35.0 -6--6--7--5 4 7.8 キングカメハメハ / シーザリオ 栗)角居勝彦 428 -4 3 3

ホープフル3着から挑んだ良血馬グローブシアターですが痛恨の8着

母や兄達が挑み、制したクラシックへの道は険しいものとなっていしまいます

 

 

毎日杯(2017/03/25)

01 アルアイン池田(牡3   松山弘平 56.0 1.46.5 34.3 -------2--2 2 7.7 ディープインパクト / ドバイマジェスティ 栗)池江泰寿 520 +6 3 3
02 サトノアーサー山田 1/2 川田将雅 56.0 1.46.6 33.3 -------8--7 1 1.2 ディープインパクト / キングスローズ 栗)池江泰寿 472 -2 1 1
03 キセキ(牡3 1/2 シュタル 56.0 1.46.7 33.4 -------7--7 7 32.8 ルーラーシップ / ブリッツフィナーレ 栗)角居勝彦 482 -4 6 6
04 プラチナムバレット(牡3 池添謙一 56.0 1.47.0 34.2 -------4--4 5 14.2 マンハッタンカフェ / スノースタイル 栗)河内洋  480 -2 7 7
05 トラスト(地)(牡3 13/4 丹内祐次 57.0 1.47.3 34.3 -------5--5 6 16.9 スクリーンヒーロー / グローリサンディ

POG指名馬がここで対決

サトノアーサーは単勝1.2倍とちょっと信じられないような1本かぶりの人気をするも、番手から早め抜け出すソツのない競馬のアルアインを半馬身捕らえきれず2着

敗れはしたものの、展開が向かなかっただけと好意的な捕らえられ方が多数をしめました

 

皐月賞(2017/04/16)

01 アルアイン(池田)   松山弘平 57.0 1.57.8 34.2 -3--4--5--5 9 22.4 ディープインパクト / ドバイマジェスティ 栗)池江泰寿 518 -2 11 6
02 ペルシアンナイト(牡3 クビ M.デム 57.0 1.57.8 34.1 15-15--5--5 4 8.1 ハービンジャー / オリエントチャーム 栗)池江泰寿 480 -2 7 4
03 ダンビュライト(牡3 3/4 武豊 57.0 1.57.9 34.3 -6--6--5--3 12 56.1 ルーラーシップ / タンザナイト 栗)音無秀孝 466 -4 10 5
04 クリンチャー(牡3 11/4 藤岡佑介 57.0 1.58.1 34.8 -3--3--2--1 13 76.7 ディープスカイ / ザフェイツ 栗)宮本博  476 0 16 8
05 レイデオロ(下村) クビ ルメール 57.0 1.58.2 34.0 16-16-16-14 5 10.4 キングカメハメハ / ラドラーダ 美)藤沢和雄 484 +8 5 3
06 スワーヴリチャード(牡3 クビ 四位洋文 57.0 1.58.2 34.3 -6--9-11-10 2 7.0 ハーツクライ / ピラミマ 栗)庄野靖志 504 +4 2

1

「レベルの低い」この世代の牡馬最初のクラシック、1番人気を奪ったのは牝馬のファンディーナでした

前走フラワーCを5馬身差の圧勝で制し、無敗で牡馬戦線に乗り込みます

そのファンディーナは平均ペースのレースを前目3番手あたりからレースを進めますが、直線手前でマクってくるペルシアンナイト以下に飲み込まれ7着、勝ったのはほぼ同じような位置からレースを進めたアルアインでした

本馬は仕掛け所の4各で何かに躓いて一度下がりかけたところ盛り返しての勝利で力がないと勝てない勝ち方でした、前走も明らかな不利を受けての敗退であり、9番人気はあまりにも舐められたといったところ、馬券を取れた人には簡単だったレースでしょう

ホープフル勝ち馬レイデオロは年明け初戦がこのレース、管理調教師の藤沢師らしいレース選びですが、後方一気で掲示板確保までは持ってきます

明らかに狙いはここに定めておらず、不気味な雰囲気は漂います

 

f:id:capsuleperfume:20170610232735p:plain

年明け~皐月賞終了までの賞金獲得グラフ

アルアインの活躍により一気に池田厩舎が急上昇し、山田、下村厩舎と3強体制を築きます

記事中も全く話題に上がっていませんが、3弱も見事な接線で熱い戦いを繰り広げます

佐竹厩舎のエースは全て1番人気で2.1.2.3.3.8.4着のレジェンドセラー

上田厩舎は1.2.4.3.4と掲示板をはずしたことのないサトノシャークが稼ぎ頭です

翻って和泉厩舎は上から

ヴァナヘイム(故障)

ミラアイトーン(故障)

レッドオルガ(故障)

コリエドール(体調不良)

エリンソード(喉鳴り)

と、ここまでに賞金を稼いでいる馬が全馬に馬体異常発生

そりゃ最下位だわ、という状況になっています

 

長くなったのでオークス~ダービー編はまた今度

 

16-17 年明けから桜花賞まで

年が明けて2017年、ここからはクラシックに沿って見て行きましょう

まずは牝馬戦線から

 

主役はもちろん無敗の2歳女王、山田厩舎のソウルスターリングです

しかし父Frankelがマイラーであった為、桜花賞はともかくオークスに向けて距離の不安を指摘する声も囁かれていました

追いかける1番手は下村厩舎、デイリー杯勝ち馬のジューヌエコール、OP野路菊S2着のモーヴサファイアの2頭で勝負を挑みます

池田厩舎からはフローレスマジックです G3アルテミスSリスグラシューに半馬身届かず2着でしたが、阪神JFも回避してクラシックに万全の体制で挑みます

佐竹厩舎は新馬戦を3馬身差楽勝したハナレイムーンとブエナビスタの仔コロナシオン、未知の魅力に期待する陣容です

上田厩舎は良血リナーテが年明け前に骨折、春の全休が決定してしまい牝馬クラシック戦線に参戦するのは厳しい情勢、和泉厩舎も牝馬の活躍馬を輩出出来ていません

 

エルフィンステークス(2017/02/04)

1 サロニカ(牝3   福永祐一               栗)角居勝彦 430      
02 アドマイヤローザ(牝3 11/4 岩田康誠               栗)梅田智之 460      
03 ミリッサ(牝3 クビ ルメール 山田             栗)石坂正  410      

 シンハライトの妹ミリッサがキャリア2戦目にして1番人気でOPに挑むも差しきれず3着

今後のローテが厳しくなります

デイリー杯クイーンカップ(2017/02/11)

1 アドマイヤミヤビ(牝3   ルメール               栗)友道康夫 480 +2 15 8
02 アエロリット(牝3 1/2 横山典弘               菊沢隆徳 486 -6 11 6
03 フローレスマジック(牝3 戸崎圭太 池田             美)木村哲也 456 +18 6 3
05  ハナレイムーン(牝3 クビ 石橋脩 佐竹             美)堀宣行  422 +6 3 2
13 ディヴァインハイツ(牝3 11/4 内田博幸 山田             栗)石坂正  446 -18 7

4

久々の競馬でもフローレスマジックが3着、力のあるところを見せますが切れ味に不安を残します

賞金的には桜花賞への出走権を得ていますが、あえて回避しオークスに的を絞る旨が陣営から発表されます

勝馬ながら人気していたハナレイムーンは伸びきれず5着、ディヴァインハイツは見せ場を作れません

 

チューリップ賞(2017/03/04)

01 ソウルスターリング(牝3   ルメール 54.0 1.33.2 33.8 山田 1 1.5 Frankel / スタセリタ 美)藤沢和雄 476 +4 10 7
02 ミスパンテール(牝3 四位洋文 54.0 1.33.5 33.7   7 52.5 ダイワメジャー / エールドクラージュ 栗)昆貢   496 -8 7 6
03 リスグラシュー(牝3 1/2 武豊 54.0 1.33.6 33.9   2 2.7 ハーツクライ / リリサイド 栗)矢作芳人 438 +4 3 3
04 ミリッサ(牝3 3/4 福永祐一 54.0 1.33.7 34.1 山田 3 11.0 ダイワメジャー / シンハリーズ 栗)石坂正  412 +2 1

 

山田厩舎2頭出しです

断然人気のソウルスターリングが完勝、改めて世代トップの力を示します

ミリッサは今回も爪が甘く4着、桜花賞トライアルなので3着までに入れば出走権を得られるのですが届かずまたもローテの見直しを迫られます

 

報知杯フィリーズレビュー(2017/03/12)

01 カラクレナイ(牝3   M.デム 54.0 1.21.0 34.4     3.8 ローエングリン / バーニングレッド 栗)松下武士 478 +2 16 8
02 レーヌミノル(牝3 1/2 浜中俊 54.0 1.21.1 35.0   1 1.8 ダイワメジャー / ダイワエンジェル 栗)本田優  468 0 15 7
03 ゴールドケープ(牝3 11/4 丸山元気 54.0 1.21.3 34.4   6 24.1 ワークフォース / ジュエルオブナイル 栗)荒川義之 432 +4 13 7
04 ジューヌエコール(牝3 北村友一 54.0 1.21.6 35.8 下村 3 7.0 クロフネ / ルミナスポイント 栗)安田隆行 488 0 6 3

重賞勝ち馬ジューヌエコールは4着も、先行馬には厳しい流れになりながら粘った4着です

本馬以外の先行勢が大きく後方に沈んだ事を考えると、負けてなお強しの4着と言える内容でした

上位3頭は揃って切れる足の持ち主でいかにも桜花賞に向いた能力に見えました

 

フラワーカップ(2017/03/20)

01 ファンディーナ(牝3   岩田康誠 54.0 1.48.7 34.9   1 1.3 ディープインパクト / ドリームオブジェニー 栗)高野友和 508 -4 12 8
02 シーズララバイ(牝3 柴田善臣 54.0 1.49.5 34.9   8 76.1 ファルブラヴ / シースプレイ 美)竹内正洋 422 -4 6 5
03 ドロウアカード(牝3 クビ 武豊 54.0 1.49.5 36.1   7 48.6 ダイワメジャー / アスドゥクール 栗)角田晃一 442 0 8 6
05 ハナレイムーン(牝3 3/4 シュタル 54.0 1.49.7 35.7 佐竹 4 12.0 ディープインパクト / ハウオリ 美)堀宣行  420 -2 10 7

桜花賞最終便でもまた同じような内容で差し切れず、ハナレイムーンは春クラシックを終えます

圧倒的な支持を得て圧勝したファンディーナは桜花賞へ向かわず牡馬クラシックである皐月賞への出走を表明します

桜花賞(2017/04/09)

01 レーヌミノル(牝3   池添謙一 55.0 1.34.5 35.4   8 40.8 ダイワメジャー / ダイワエンジェル 栗)本田優  466 -2 10 5
02 リスグラシュー(牝3 1/2 武豊 55.0 1.34.6 35.3   3 14.5 ハーツクライ / リリサイド 栗)矢作芳人 436 -2 6 3
03 ソウルスターリング(牝3 クビ ルメール 55.0 1.34.6 35.4 山田 1 1.4 Frankel / スタセリタ 美)藤沢和雄 474 -2 14 7
09 ジューヌエコール(牝3 3/4 北村友一 55.0 1.35.3 36.1 下村 12 96.6 クロフネ / ルミナスポイント 栗)安田隆行 484 -4 4 2

1.4倍の圧倒的1番人気に推されたソウルスターリングは道中やや前に位置取り、強者の競馬を展開します

しかし直線に向くといつもの脚色が見られず、後方から来た2頭に交わされたところがゴールでした

重い馬場が影響したとの鞍上の談ですが、いずれにしても大事な1戦でついにソウルスターリングに土がついてしまいました

ジューヌエコールは初の大敗、このレベルのレースでは千六は少し流そうな印象でした

 

16POG あゆみ

・’16 6月~9月

f:id:capsuleperfume:20170601000352p:plain

f:id:capsuleperfume:20170601002708p:plain

 

6月5日、新馬戦開幕週、いきなりの直接対決から幕開けとなりました

そこでロジムーンは2着すると月内にもう1戦するもまた2着、初勝利をあげることはできません

初勝利は7月のモーヴサファイア、全体で7回目の出走の事でした

後のGⅠ2勝馬ソウルスターリングも7月中に早くもデビュー勝ちを果たしています

また、8月末の新潟2歳Sが初の重賞挑戦となりました(モーヴサファイア8着)

さて、この期間輝いていたのは和泉厩舎です

ミラアイトーンで初出走初勝利を飾ると、コリエドール、ヴァナヘイムといとも簡単に新馬勝ちを重ねていきます

特にヴァナヘイムの勝ち方は着差以上に力強く、「来年のダービーは決まり」との声も多く聞かれました

上位指名馬を残したまま、快調に勝利を積み重ねる和泉厩舎の前途は明るいものにみえていました

 

・’16 10月~12月

f:id:capsuleperfume:20170601003120p:plain

f:id:capsuleperfume:20170601003128p:plain

f:id:capsuleperfume:20170601003132p:plain

秋を迎えて有力馬が本格的に参戦をはじめます

サトノダイヤモンドの妹リナーテ、ブエナビスタの初仔コロナシオン等、各自期待の良決馬が順調に新馬勝ちを収めていきます

反面、高い期待に答えられない馬も出てきます

POGで圧倒的No.1支持率だった和泉1位のトゥザクラウンをはじめ、ヴィニー、ベルダム、サトノヴィクトリー等は未だに苦しい状況におかれています

さて、順調にキャリアを重ねた馬達の重賞挑戦がはじまります

初連対はフローレスマジックアルテミスSで、初勝利はジューヌエコールデイリー杯2歳Sで達成します

そして迎える初のGⅠ阪神JF、一番人気の無敗馬ソウルスターリングが先行して押し切る強い競馬で完勝、見事GⅠ制覇となりました

山田厩舎が獲得賞金トップで年をまたぐかと思われましたが、年末のGⅡホープフルSレイデオロが勝利し、下村厩舎が首位で折り返しとなりました

ちなみにこのレース、17年よりGⅠへの格上げが決まっていた為、色々なしがらみの都合で賞金が阪神JFより高く設定されており非常においしい一戦となりました

 

年末時点での獲得賞金ランキング

f:id:capsuleperfume:20170601005430p:plain