16-17 年明けから桜花賞まで

年が明けて2017年、ここからはクラシックに沿って見て行きましょう

まずは牝馬戦線から

 

主役はもちろん無敗の2歳女王、山田厩舎のソウルスターリングです

しかし父Frankelがマイラーであった為、桜花賞はともかくオークスに向けて距離の不安を指摘する声も囁かれていました

追いかける1番手は下村厩舎、デイリー杯勝ち馬のジューヌエコール、OP野路菊S2着のモーヴサファイアの2頭で勝負を挑みます

池田厩舎からはフローレスマジックです G3アルテミスSリスグラシューに半馬身届かず2着でしたが、阪神JFも回避してクラシックに万全の体制で挑みます

佐竹厩舎は新馬戦を3馬身差楽勝したハナレイムーンとブエナビスタの仔コロナシオン、未知の魅力に期待する陣容です

上田厩舎は良血リナーテが年明け前に骨折、春の全休が決定してしまい牝馬クラシック戦線に参戦するのは厳しい情勢、和泉厩舎も牝馬の活躍馬を輩出出来ていません

 

エルフィンステークス(2017/02/04)

1 サロニカ(牝3   福永祐一               栗)角居勝彦 430      
02 アドマイヤローザ(牝3 11/4 岩田康誠               栗)梅田智之 460      
03 ミリッサ(牝3 クビ ルメール 山田             栗)石坂正  410      

 シンハライトの妹ミリッサがキャリア2戦目にして1番人気でOPに挑むも差しきれず3着

今後のローテが厳しくなります

デイリー杯クイーンカップ(2017/02/11)

1 アドマイヤミヤビ(牝3   ルメール               栗)友道康夫 480 +2 15 8
02 アエロリット(牝3 1/2 横山典弘               菊沢隆徳 486 -6 11 6
03 フローレスマジック(牝3 戸崎圭太 池田             美)木村哲也 456 +18 6 3
05  ハナレイムーン(牝3 クビ 石橋脩 佐竹             美)堀宣行  422 +6 3 2
13 ディヴァインハイツ(牝3 11/4 内田博幸 山田             栗)石坂正  446 -18 7

4

久々の競馬でもフローレスマジックが3着、力のあるところを見せますが切れ味に不安を残します

賞金的には桜花賞への出走権を得ていますが、あえて回避しオークスに的を絞る旨が陣営から発表されます

勝馬ながら人気していたハナレイムーンは伸びきれず5着、ディヴァインハイツは見せ場を作れません

 

チューリップ賞(2017/03/04)

01 ソウルスターリング(牝3   ルメール 54.0 1.33.2 33.8 山田 1 1.5 Frankel / スタセリタ 美)藤沢和雄 476 +4 10 7
02 ミスパンテール(牝3 四位洋文 54.0 1.33.5 33.7   7 52.5 ダイワメジャー / エールドクラージュ 栗)昆貢   496 -8 7 6
03 リスグラシュー(牝3 1/2 武豊 54.0 1.33.6 33.9   2 2.7 ハーツクライ / リリサイド 栗)矢作芳人 438 +4 3 3
04 ミリッサ(牝3 3/4 福永祐一 54.0 1.33.7 34.1 山田 3 11.0 ダイワメジャー / シンハリーズ 栗)石坂正  412 +2 1

 

山田厩舎2頭出しです

断然人気のソウルスターリングが完勝、改めて世代トップの力を示します

ミリッサは今回も爪が甘く4着、桜花賞トライアルなので3着までに入れば出走権を得られるのですが届かずまたもローテの見直しを迫られます

 

報知杯フィリーズレビュー(2017/03/12)

01 カラクレナイ(牝3   M.デム 54.0 1.21.0 34.4     3.8 ローエングリン / バーニングレッド 栗)松下武士 478 +2 16 8
02 レーヌミノル(牝3 1/2 浜中俊 54.0 1.21.1 35.0   1 1.8 ダイワメジャー / ダイワエンジェル 栗)本田優  468 0 15 7
03 ゴールドケープ(牝3 11/4 丸山元気 54.0 1.21.3 34.4   6 24.1 ワークフォース / ジュエルオブナイル 栗)荒川義之 432 +4 13 7
04 ジューヌエコール(牝3 北村友一 54.0 1.21.6 35.8 下村 3 7.0 クロフネ / ルミナスポイント 栗)安田隆行 488 0 6 3

重賞勝ち馬ジューヌエコールは4着も、先行馬には厳しい流れになりながら粘った4着です

本馬以外の先行勢が大きく後方に沈んだ事を考えると、負けてなお強しの4着と言える内容でした

上位3頭は揃って切れる足の持ち主でいかにも桜花賞に向いた能力に見えました

 

フラワーカップ(2017/03/20)

01 ファンディーナ(牝3   岩田康誠 54.0 1.48.7 34.9   1 1.3 ディープインパクト / ドリームオブジェニー 栗)高野友和 508 -4 12 8
02 シーズララバイ(牝3 柴田善臣 54.0 1.49.5 34.9   8 76.1 ファルブラヴ / シースプレイ 美)竹内正洋 422 -4 6 5
03 ドロウアカード(牝3 クビ 武豊 54.0 1.49.5 36.1   7 48.6 ダイワメジャー / アスドゥクール 栗)角田晃一 442 0 8 6
05 ハナレイムーン(牝3 3/4 シュタル 54.0 1.49.7 35.7 佐竹 4 12.0 ディープインパクト / ハウオリ 美)堀宣行  420 -2 10 7

桜花賞最終便でもまた同じような内容で差し切れず、ハナレイムーンは春クラシックを終えます

圧倒的な支持を得て圧勝したファンディーナは桜花賞へ向かわず牡馬クラシックである皐月賞への出走を表明します

桜花賞(2017/04/09)

01 レーヌミノル(牝3   池添謙一 55.0 1.34.5 35.4   8 40.8 ダイワメジャー / ダイワエンジェル 栗)本田優  466 -2 10 5
02 リスグラシュー(牝3 1/2 武豊 55.0 1.34.6 35.3   3 14.5 ハーツクライ / リリサイド 栗)矢作芳人 436 -2 6 3
03 ソウルスターリング(牝3 クビ ルメール 55.0 1.34.6 35.4 山田 1 1.4 Frankel / スタセリタ 美)藤沢和雄 474 -2 14 7
09 ジューヌエコール(牝3 3/4 北村友一 55.0 1.35.3 36.1 下村 12 96.6 クロフネ / ルミナスポイント 栗)安田隆行 484 -4 4 2

1.4倍の圧倒的1番人気に推されたソウルスターリングは道中やや前に位置取り、強者の競馬を展開します

しかし直線に向くといつもの脚色が見られず、後方から来た2頭に交わされたところがゴールでした

重い馬場が影響したとの鞍上の談ですが、いずれにしても大事な1戦でついにソウルスターリングに土がついてしまいました

ジューヌエコールは初の大敗、このレベルのレースでは千六は少し流そうな印象でした

 

16POG あゆみ

・’16 6月~9月

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6月5日、新馬戦開幕週、いきなりの直接対決から幕開けとなりました

そこでロジムーンは2着すると月内にもう1戦するもまた2着、初勝利をあげることはできません

初勝利は7月のモーヴサファイア、全体で7回目の出走の事でした

後のGⅠ2勝馬ソウルスターリングも7月中に早くもデビュー勝ちを果たしています

また、8月末の新潟2歳Sが初の重賞挑戦となりました(モーヴサファイア8着)

さて、この期間輝いていたのは和泉厩舎です

ミラアイトーンで初出走初勝利を飾ると、コリエドール、ヴァナヘイムといとも簡単に新馬勝ちを重ねていきます

特にヴァナヘイムの勝ち方は着差以上に力強く、「来年のダービーは決まり」との声も多く聞かれました

上位指名馬を残したまま、快調に勝利を積み重ねる和泉厩舎の前途は明るいものにみえていました

 

・’16 10月~12月

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秋を迎えて有力馬が本格的に参戦をはじめます

サトノダイヤモンドの妹リナーテ、ブエナビスタの初仔コロナシオン等、各自期待の良決馬が順調に新馬勝ちを収めていきます

反面、高い期待に答えられない馬も出てきます

POGで圧倒的No.1支持率だった和泉1位のトゥザクラウンをはじめ、ヴィニー、ベルダム、サトノヴィクトリー等は未だに苦しい状況におかれています

さて、順調にキャリアを重ねた馬達の重賞挑戦がはじまります

初連対はフローレスマジックアルテミスSで、初勝利はジューヌエコールデイリー杯2歳Sで達成します

そして迎える初のGⅠ阪神JF、一番人気の無敗馬ソウルスターリングが先行して押し切る強い競馬で完勝、見事GⅠ制覇となりました

山田厩舎が獲得賞金トップで年をまたぐかと思われましたが、年末のGⅡホープフルSレイデオロが勝利し、下村厩舎が首位で折り返しとなりました

ちなみにこのレース、17年よりGⅠへの格上げが決まっていた為、色々なしがらみの都合で賞金が阪神JFより高く設定されており非常においしい一戦となりました

 

年末時点での獲得賞金ランキング

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16-17 ダービー終了

2016年のダービーはレイデオロ号の優勝で幕を閉じました

これにより、ここまでのG1レース7つのうち4つを当POGの指名馬内で制した事になります、かなり優秀だと言えるでしょう

 

このPOGは年末まで続くルールですが、きりが良いのでダービー終わりで一旦集計し、データを振り返ります

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まあ、平たくいって3強3弱の構図と言わざるを得ません

G1勝つと一気に賞金が稼げるのでその差がデカいのですが、単純な勝ち数でも3弱は下回っているので言い訳は不能な結果となっています

この表から見て一番目立つのはなんといっても和泉厩舎の出走率の悪さです

トップ上田の半分以下、下から2番目の山田厩舎からも大幅な差をつけられています

勝率は悪くないのですがこれでは勝負になりませんね

 

次から時系列にそって振り返ります

縦に長くなるので次の記事にうつします

 

 

18POG 統計part2

楽しくなってしまったので続けています

前回のデータはサイトからぶっこ抜いたデータをいじったのですが、今回のは気合で調べ手入力したデータを元に統計とりました

時間はかかりましたが無駄な達成感があります

 

・母出産時年齢

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綺麗に分布しています

初期にいきなり活躍馬を生んだ牝馬の仔が評判馬として騒がれるので、このくらいの年齢の牝馬の指名が増えるのでしょう

年齢をあまり気にせず指名したのは山田さんと和泉となるでしょうか

和泉指名のビワハイジ(6位プリメラビスタ)がダントツおばあさんかと思いきや、上田のMassada(14位ビューティテソーロ)が同い年でした、謎の多い馬です

ちなみに僕は若い牝馬の仔を獲得できるよう意図してとりました

よく言われる事ではありますが、出産時年齢と競争成績にははっきりと相関関係があります、若い力でがんばって欲しいです

平均値としては

羽角10.6

佐竹  9.1

山田10.8

上田11.0

池田10.6

和泉11.6

全体10.6

となりました

 

・生まれ月

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人間より成長の早い馬にとって、4ヶ月の生まれの差はそれなりに大きいです

2~3歳程度の差があるといえるかもしれません

中1と中3が部活の大会で戦う、と考えるとその差を実感出来るかもしれませんね

実際に生まれた月が早い方が、POG期間内の「一走あたりの獲得賞金額」が大きいというデータがあるようです

そういう意味では、1月生まれの多い羽角さんと上田くんのアドバンテージがあるかもしれません

が、その反面期間内のG1においては、4月生まれが40%近くを占めているとのデータもあります

まあ強い馬はいつ生まれても強いので、既に指名の終わっている今深く気にしてもしょうがないでしょう

 

・母、きょうだいの成績

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母やきょうだいが重賞を勝っているかどうかの表です

言うまでもなく目立つのは和泉ですね、浅ましいことこの上ない

ブランド品を買いあさるが如く指名した様子が見て取れます

重賞勝ちという点でみた統計なので、重賞は取っていないがG1で2着とか、全きょうだいがOPまで勝ち上がっているとか、そういう馬も沢山いると思うのでこれが全てではないですが、和泉くんの指名の脂っこさが伝わってきますね

ちなみに、母重賞勝ちできょうだいも重賞勝っているという馬は

・羽角

 トゥザフロンティア

 タンタフエルサ

・上田

 マルケッサ

 シエラ

 ヴィルトゥース

・池田

 ヘンリーバローズ

 リンフォルツァンド

・和泉

 シンハラージャ

 プリメラビスタ

 シーリア

 ミカリーニョ

 ダノンマジェスティ

の計12頭となります

 

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逆に、きょうだいが未だ未勝利の馬はこれだけいます

指名馬が初仔の場合も含まれており、山田1、上田1、池田2の4頭となります。

山田さんあたりは意図して未勝利馬を避けたのではないでしょうか、僕もなるだけ避けましたが結果3頭も獲ってしまいました

 

・毛色

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最後にどうでもいいデータをまとめてみました

鹿毛50%、黒鹿毛14%というのは競走馬全体の割合とドンピシャに一致します

逆に、競走馬全体の3%しかない青鹿毛が指名馬の中に13%もいる理由は言うまでもなくサンデーサイレンスの影響でしょう、影響力の強さが実感でき、思ったより面白いデータとなりました

当然ですが、白毛馬は全体からみれば1%どころの騒ぎではなく、日本競馬の歴史で20数頭しか登録されていないレア毛色となります

 

 

2017-18 POG

 

まず指名馬一覧から

画像がスマホからみるとかなり小さすぎるので画像を開いてみてください

netkeibaにも載っていない厩舎や馬主情報も気合で調べて全て記入しました

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順当に人気馬が消えていきましたが、その中でもそれぞれ「らしい」指名になったのではないでしょうか

個人的にはやはりフラットレーを逃したのは大きかったですが概ね取りたい馬を取れ、上位で消えるから取れないだろうな、と思っていたのアプルーヴァルやグラマラスライフを取れたので満足度は85%くらいでしょうか

 

 

次に、いくつか統計をとりました

・性別

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牡牝バランスよく取る人と、牡馬に寄る人が半分ずつ

中でも羽角さんはかなり極端に寄せました

牝馬が多い人は一人もいません

牝馬戦の方が賞金額が抑え気味のためでしょう

 

・東西

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上田くん以外は栗東に偏りました

もうずっと関西馬優勢が続いているので仕方ありません、今年も調教師リーディングでトップ10にいる美浦の調教師は国枝と堀の2人だけ

大昔は関東優勢の時代もあったようですがその時代に戻る事はあるのでしょうか

 

種牡馬

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当然ディープインパクトです フルに7頭指名したのは2人でした

ついでこれも順当にキングカメハメハ、3番手には新種牡馬オルフェーヴルが続きます

僕はオルフェを取る気がなかったのですが評判馬のアプルーヴァルが残っていたので指名した為、全員が獲得する事となりました

意外とバラけた感じで、リーディング常連のステイゴールドダイワメジャーは1頭ずつ、「モーリス後」最初の世代でグッと牝馬の質が上がったスクリーンヒーローも1頭のみとなり、クロフネにいたっては指名0となってしまいました

マル外はFrankel3頭をはじめあわせて8頭、新種牡馬ロードカナロア5頭は予想よりも多い印象です

個人で見ると、キングカメハメハを5頭指名した池田さん、Shamaldal1頭以外の14頭を4頭の種牡馬で固めた和泉が目立ちます

 

・生産者

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そりゃそうだ、という表が出来上がりました

2012よりリーディングを譲っていないノーザンファームが質・量ともに圧倒しているのでこうなってしまいます

系列である白老ファーム社台ファーム追分ファームと海外生産のTeruya Yoshida名義のソリッドドリームを合わせると76頭となり、4分の3を超えてしまいます

日本の馬産の歪みをあらためて感じます

和泉のノーザンファーム13頭は割り切ってて逆に好感がもてます、個人的には個人牧場の石郷岡さんにがんばって欲しいです(羽角さん15位指名キャンドゥ)

 

・調教師

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3年連続賞金王の池江厩舎が一番人気でした、順当でしょう

それ以外では目立つのは上田くんの堀厩舎4頭と山田さんの高野厩舎3頭でしょうか

堀厩舎はモーリスも管理していたので全弟ルーカスは気合はいるでしょう

高野厩舎はショウナンパンドラ以来パッとしませんが今期はファンディーナもいるし昇り調子、一気にブレイクとなれるでしょうか

 

・馬主

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生産者と同じくこちらも社台づくしですね

社台レースホースキャロットファームサンデーレーシングシルクレーシング・G1レーシングはいわゆる社台系の一口馬主クラブです

ノーザンファーム代表吉田勝己の1頭とあわせて50頭が社台系馬主の馬となります

個人馬主ではサトノの里見さんが6頭指名される一方、ディープの馬主で有名な金子さんの馬は3頭しか指名されませんでした